日本語の「経理」という言葉は会社の会計などと関係ある業務のことを意味していますが、
しかし、この言葉は中国語では、会社の最高責任者である「社長」のことを指しています。
もしビジネス相手の中国人からもらった名刺に「経理」という肩書きを書いてあったら、
絶対一般の経理部の社員とは思わないでください。その人は社長ですよ。社長だからこそ、人に偉く見られてほしいのは
普通でしょう、中国人はもっとかもしれません。
実は「社長」という言葉は現在中国で使われていないのですが、しかし、中国で歴史的な意味
がある言葉として、20年あまりにも渡って、使われたことがあります。世界でも有名な中国の文化大革命の年代、農村を基盤
として普及した、政治や経済、さらに文化、軍事までをも含んだ農業集団化機構を「人民公社」
と呼びます。その「人民公社」の最高責任者は「社長」と呼び、
一般の従業員は「社員」と呼びます。文化大革命の後、農業政策の大転換が実施され、その後の
改革開放政策のもとで、「人民公社」も次第に解体されていくこととなりました。それに伴って、
「社長」と「社員」の呼び方も自然に中国で消えて行きました。
日本に来た最初の数年間、日常よく聞かれた「社長」と「社員」
の言葉はどうもその中国の年代物のように思ったのを思い出します。このような歴史の背景があるからこそ、あまり日本の文化を
知らない中国人はたぶん日本人の「社長」はそんなに偉いとは思っていないでしょう。
目次<<